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学校放送番組活用実践・情報教育研修 全放連放友会員

2005年06月

 今年度のみん生研にやっと参加できた。これまで、何があろうが万難廃して出席してきたのだが、(以前、4月に3人ということがあったが、昨年度はは2人ということもあったようだ。)全放連絡みで赴くことが多いと、最低月3回をこなしていくのが大変になってきた。前回研究会では四国出張だったので到底無理だった。
 ともあれ今日は幾分新鮮な気持ちで臨むことができた。(3理の話も担当とできてよかった)子どもたちがこの番組を視聴する姿を見ていると、本当に視聴機会を多くの子どもたちに得させてあげたいとつくづく思う。その延長線にある指導者同士の定期的な協議はとても価値がある。
 さて、今日は、『視聴のタイミング』がキーワードだったと思う。「生まるごと」、そうでなくても放映の順になんのためらいもなく見せてきた。週の中でいつとでも決めていかないと視聴機会を失うほど、教科カリキュラムの狭間で時間確保が難しい。20本継続してなるべく視聴していくことが大事だ。ドキュメンタリーは生ものという意識もある。確かに学級での教科活動へ寄り添うことで一層効果が得られる実例が多く報告されてきた。それがまた視聴勧誘の説得力となる。今回の家族・協力・食育では、そんな事例もお聞きする事が出来た。
 「本音を言っていない。本当の自分を書いていない。」というお話があった。授業参観ではいつも「みんな生きている」にしているとのこと。親を前にして書いた感想と、その子の家庭状況、学校での日常の様子と重ね合わせて心の中が浮き彫りになっていく。「3学期には、この子を変えて」いくという決意ある話が聞けた。熱心な児童指導の中に「みんな生きている」が息づいている。
 (「みんな生きている」を学級指導の要として生かすからこそ)「家族っていいな」をもう少し後になってから視聴させることにしているという。「力をあわせて」を運動会前に視聴して、俄然やる気が出てきた実例もあり、『視聴のタイミング』を時に心得て活用計画を組むことの具体的な話が9月にはさらに聞けそうだ。 

 本日は学力向上プロジェクトの授業研究会が行われた。具体的な取り組みの様子・協議会の討議内容は学校放送のメルマガなどに追って掲載されていくであろうし、授業者レポートも放送教育ネットワーク中に7月中にはあっぷするだろう。ここでは会の報告ではなく、自分事として捉えるとどうだろうかと考えたい。
 

 2年生に大好評の「ことばぁ」であるが、情報担当がやる授業であるので、他学年とのやりくりでちょっと間が空いてしまった。しかしそろそろ次回の予定を立てていかなくてはならない。このような「コミュニケーション能力の育成」番組こそ継続視聴の効果があるからだ。次回は、まだ「自分たちで別のキャラクターのお話で『ここにいるよ』遊びをする。」活動をまだやっていない3クラスで行う予定だ。「やさいの国はおおさわぎ」のお話も楽しめることだろう。そしてその時間から「おはなしキャッチボール」の回に入る。
「おはなしキャッチボール」
集団の中でどのように会話がなされているかを【おはなしキャッチボール】の活動を通して視覚化し会話の状況に気づかせる。相互交流のコミュニケーション力をつける。(番組Webより)
 互いに指名した相手に毛糸をころがしていくのだが、次第に交流の糸が張り巡らされていくことが実感できておもしろい。さあ自費で何玉購入しなくてはいけないだろうか。

 算数4年生では、そろそろ「わり算の筆算」を終えて、「折れ線グラフ」の学習に入る。これまで少人数で学習を進めてきたが、単元の導入時における課題把握ではT・Tの方が効果的であることも多い。「折れ線グラフ」では特に「折れ線グラフ」でかくことで数値の変化が確認しやすいということに気づいたり、共通の場で「折れ線グラフのかき方」を把握しておいたりするには、学級一斉の場でティームティーチングを行った方が優位であるとの見通しのもと全体で行うことにした。
 明後日に学力向上プロで行われる「わかる算数5年生」活用・授業研究会では、ゼロ分スタートでまるごと視聴していく予定だが、私はこの「折れ線グラフがわかる」を番組Websiteで視聴してみて゜学級での学習」映像は、授業手法として指導者資料に留めて同様に進め、部分視聴として豊口さんが説明するスタジオ部分を活動に挟んで利用し、児童の学習確認用とすることにした。番組Websiteをデジタル教材として活用したいと思ったが、準備するものや学習で使用する表・グラフ用紙の取り出しなど教材準備の様相もあり、これも指導資料として使うのみとした。この最後には「青森・東京・熊本の1年間の気温のうつりかわり」が追加学習例として紹介されており、番組内の活動を同様に進めた後での定着化に役立ちそうである。

 本日は、土曜授業参観日。3年理科を行い、5校時終了直後には本校のネットディ説明会を進行役として開催した。少人数で行う算数の効果は見える形で保護者に感じてほしいし、かといって3年理科も県大会での提案につながる取り組みであるので、下準備は怠れない。さらに「ネットディ説明会」においては、今年度の光接続と合わせて本校ICTの大きな山であるので、これまた準備を怠るわけにはいかないと三つ巴で必死であった。
 昨日は午後11時半まで学校に残り、終電近くの電車で帰宅した。無理なところへ無理をするのが常である。さらに欲張って保護者来校のこの機会にと、4年の各クラス廊下掲示として『「みんな生きている』「いただきますごちそうさま」の回の全感想(前日、学校教育番組部へ直接持参したもの)を模造紙に縮小して貼付し、それが夜中作業となってしまった。個人や学年で視聴後に互いの感想を読みあってほしいと、その都度掲示しているものである。今年度より車通勤禁止となったので、ピンクの模造紙を丸めてJR線に乗っている様は、さぞかし目立ったことだろう。
 やっと表題の取り組みの話。本日は、3年理科番組『ふしぎだいすき』「さがせ!野原の虫」を活用した授業を行った。これまで子どもたちは学級でカイコやモンシロチョウ・アゲハチョウなどの飼育をすることを通じて昆虫への関心を深めてきた。昨日は近隣にある自然公園へ赴いており、中にはバッタを採取する児童もいた。そこで今日は導入時に、「これまで飼育した生き物は幼虫から成虫になるのに姿を変えてきたが、どんな虫もそうなのだろうか。」と投げかけた。ほとんどの児童がその通りと手を挙げたところで「では見てみよう」と番組へと入った。
 今年度の番組の売りである「撮影や再生手法の工夫」であるが、バッタが葉を食べる様子での「アップ」映像はプロジェクターでの大画面効果と相まって迫力さえ感じられた。前年度番組より資料性が強く、番組中で他校の児童が活動しているという映像はないのだが、草むらでの見つけ方・飼い方・虫の体のつくりなどじっくりと確認していくことができ、15分の間、児童の関心の糸が切れる様子はなかった。
 「バッタのことでもっと知りたくなったことを確かめていこう。」ということで関連Webへと入っていった。視聴覚室ではスクリーンでの視聴スペースとPCスペースをとることができ、児童はすぐに興味を持った虫のことについて既に立ち上げてあるPCに向かうことができた。
 番組ではバッタやチョウを手に持って体のつくりを観察していた様子があったが、次第に子どもたちも実物で確認したくなってきた。そこで「サプライズ」。本物のバッタがたくさん登場した。体を痛めないようにそっと抱えて、虫眼鏡なども使いながらじっくりと映像や静止画で間接的に知り得たことを直に確かめることのできた時間を得た。ただ、これは設定した環境下のことで、やはり本来的には自然の中に分け入って実際に確かめたいという意欲を喚起することを目標として番組&Webを活用し、進んで昆虫観察をさせたい。本校は幸いなことに自然の残る公園が近隣にあり、野山の自然に触れる体験は、この後にも設定する予定だ。
 

 本日4年生で、みんな生きている「家族っていいな」を視聴した(昨日は3年生の学級だった)。概ね感想は、長女のみさねさんは大変そうだというものがやはり多い。上げ膳据え膳で育っている現代の多くの子どもたちにとって、キッチンに入って調理や配膳を手伝い、下の子たちを起こしたりして面倒を見ていくさまは、目に新しい光景だったようだ。「一番年上だと家のかじをてつだったり、らくなときはないと思いました。」 その上で兄弟が多い家庭での互いの交流の様と自らの家庭を引き比べて見つめていく。現在置かれている立場を改めて肯定したり、兄弟を批判したり、番組の家庭にうらやましさを感じたりとさまざまである。反省を込めて「もっと妹に優しくしたい。」と言う子もいれば、「私の姉はあんなにやさしくない。」と書く子もいた。「この番組をみせてくれてありがとうございます。」と書く4年生がふたりいた。現実の ある家庭の様子がじっくりとうかがえて、改めて「家族」のつながりに思いを寄せられたのではないだろうか。放映は、来週も火曜日と木曜日の9時半からある。教室へ戻ってから、(再放送はいつあるのだとたずねて。普段は午前中とわかり)夏休みの再放送を全部見るんだと話している子もいた。
番組への観察眼も良い。お母さんがスーバーで買い物をした肉が多くて「家族が多いとお肉もたくさんでたいへんでした。」と書いた子もいた。

「一番上の子がたいへんだなと思いました。でも楽しそうだなと思いました。」
「わたしのお兄ちゃんはみさねさんみたいに宿題をおしえてくれるときがあるのでうれしいです。」
「わたしはみさねさんみたいにやさしくめんどうが見れず、けんかばかりしています。わたしも、長女なので、みさねさんの気持ちがよくわかります。」

 特色委員会が本校にある。
特色ある教育活動
(1)「生きる力」をはぐくみ、豊かな感受性を培い、望ましい人間関係を育てるために、学年・学級の活動を充実させ創意ある教育活動を行う。
(2)自分たちの住む地域を見つめ、よりよい環境づくりを目指すとともに、進んで行動できる児童を育てるために、家庭や地域社会との連携を一層密にして教育活動を行う。
(3)思いやりの気持ちや社会性をはぐくむために、異年齢集団との交流等を意図的計画的に実施する。
という3点については、よく掲げる項だろう。本校でも昨年度までの「地域理解委員会」や゜総合」「特活・縦割り」の担当などを取り込んで、学年一人以上の体制で、月に一度程度会合を開いている。ともすれば、交歓の名簿作りは「特色委」でと、本来担当外の仕事を押しつけられそうになったりする。特色委員会が担うものが周知されていないところに起因する。
 私は「確かな学力」(中教審−知識や技能はもちろんのこと、これに加えて、学ぶ意欲や、自分で課題を見つけ、自ら学び、主体的に判断し、行動し、よりよく問題を解決する資質や能力等までを含めたものであり、これを個性を生かす教育の中で育むことが肝要である。)をつける上での学校の積極性が問われる取り組みであると考えている。学習計画は、それぞれの担当・学年・担任に委ねられていることで、委員会としては具体的な提言を続けることが使命となる。

 理科番組は、3年「ふしぎだいすき」の掲示板に登録している。観察したことはノート記入としているのでなかなか書き込みへと行かないまま6月も後半となってしまった。そこへ、今年も理科3MLが立ち上がったというメール。さらに「ふしぎだいすき新聞」第2号が発刊されたというメールも同じく入っていた。しかし、10グループ(学校は9校)参加しているのに、どこも報告をあげてこない。新聞にはならないと思うのだが。昨年度は1学期の生き物観察時期については、本校ばかりが上げていた。後半は少しにぎわいを見せてきたが。やはり3年生前期は書き込むスキルを身につけさせる余裕も力も不足しがちということか。
 やはり、切り出しとして本校児童に頑張ってもらいましょう。時間の余裕がないので写真があとからになるかもしれないが、3年4組の昼休みの活動となりそうだ。

 「本日の放送教育」として書いていたら、日をまたいでしまいだいぶ書きながらとりやめてしまったのだが、やはり記録は記録として残しておこうと再度書き始めた(前の原稿がもったいない)。昨日は、特に教育番組を生かした学習の予定がなかったのだが、急に3年生の先生がお子さんが扁桃腺が腫れ通院後登校とのことで3校時に入ることになった。中休みに話があり、10分後の授業開始だったので、タイムリーな番組の手当ができなかった。当該級では「みんな生きている」の「ふるさとに帰る日」(三宅島の人たちは。2000年に始まった火山の噴火のため、ふるさとのしまを離れなくてはなりませんでした。今年2月、4年半ぶりに島に帰れることになりました。子どもたちもふるさとにもどり、新しい暮らしを始めます。−番組Webより)を視聴していなかったので、DVDから見せることとした。
 機器的なことで申し訳ないがEPモードでは、小学校番組が3日分収録できるので、一週間分が2枚で済み、こういうときに即対応できる。「みんな生きている」は、今年度9時半スタートなので、2時間目からの場合には、「生丸ごと」が可能となっている。しかしどうしても頭のところでぴったりと始められず、収録している間に前振りをして、収録完了と同時に巻き戻して視聴開始ということを2度も行った。
 話を戻して、「みんな生きている」の視聴機会がとれたことは幸せであった。自分たちは何の自然災害の影響もなく安全に学校生活を送っているが、友達とも離ればなれになったりと、思わぬ苦労をしている小学生もいるんだということが感じ取れたようだ。視聴後に番組Webも開いておいたものを全体の中だが見せたので、後追いとなるが数名でも掲示板書き込みをしてくれるものと思う。
 本日から、「家族っていいな」(五人姉弟で一番上の6年生の女の子。毎日、弟や妹の面倒をよくみています。姉弟が多いのはにぎやかで楽しいけれど、時々一人になりたいことも・・・。毎日一緒に生活している「家族」の絆について考えます。−番組Webより)が始まる。視聴予定は明日5校時なので録画視聴となる。ぜひ自分の家族環境を思いつつ視聴してもらいたいなと思う。

 継続視聴を心がけつつ特設した番組活用の時間を入れていくと、週の中で学年4クラスの視聴機会を設けると、これまで取り組んできた教育番組で手一杯となる。今続けているのは2年生では「ことばあ」、3年生は「ふしぎだいすき」3,4年生で「みんな生きている」5年生でスポット的に「おこめ」というところだ。これらを日程上やり繰りしながら4クラス実践しているわけだ。番組視聴だけなら学級で継続が望ましいのだが、Webも活用しているので、プロジェクターで大画面視聴後、すぐPCに向かえる環境となると場所も限られる。T・Tをしながら手ほどきもして、しばらくはこの態様だ。(4、6年に対する理科番組活用準備も進めており、3年「かんじるさんすう」も視野に入れていきたい。)
 今週は、「ことばあ」「みんな生きている」「ふしぎだいすき」「おこめ」を担当者としてやる予定である。
 

 本日、渋谷にて学向プロ第二回目事前研が行われた。第一回事前研での討議を踏まえての検討である。展開はこのように示された。まず0分スタートで番組視聴を15分間丸ごと視聴する。次の5分間で前時に児童が作成したドット上の四角形カードをも各自机上に並べて視聴した番組を参考に、「辺の垂直や平行に注目して、四角形の仲間分けを行う」という学習問題の確認を行ったあと、算数的活動として15分間仲間分けをしていく。番組で示された条件による弁別を段階ごとにL1「一つの観点から仲間分けをする。(平行が1組ある仲間)」L2「一つの観点で2つに仲間分けをする(あるなしクイズ形式)」L3「1つの観点で3つに仲間分けをする。(番組後半の仲間分けによる)」L4「2つの観点で仲間分けをする。(番組の最後の問題から)」までを想定した活動を行う。(これは学力向上のニュアンスとしてよいと評価を受けた。)最後に10分のまとめとして友達からどんなに四角形の仲間分けをしたか聞き、四角形の特徴を考える。という一連の活動である。
 「番組を視聴してもついていけない児童」「番組内容だけはわかった児童」「発展にいく児童」という児童の能力段階による3態が示されたが、私が着目したのは、始めの「番組を視聴してもついていけない児童」への対応である。前回の指導案では、PC室へ行き「番組」の再視聴なり「デジタル教材で各弁別ごとに切り分けてあるコンテンツ」を扱うなりのことに触れていた。指導案上に表れていなくても、そのあたりが単にL1からL4まで示されただけでは想定できない点だろう。45分なりの活動を15分に編集した番組のスピードについていけなければ具体的にどう指導するのか。個別指導に前出の「デジタル教材コンテンツ」もその時間に入っていいと思えた。議論の中では、゜デジタル教材」は家庭でも扱える良さがあるので、利用を促してはどうかという話があった。そこにはやはり先生が放課後なりにPCを開いて個別指導する姿があるべきでしょうというご指導もいただいた。「進化・補充の時間」の挿入が指導計画上に望まれた。
 この指導案検討を通じて、学習で扱われる「ドット図上の四角形カード」がイメージしきれなかった。討議の中でも自由にかかせたものは番組を試聴しながらも弁別してみる操作も想定する中でふさわしくない、番組で示されたものも入れるなどの話が出たが、煮詰まっていなかったように思う。算数では、活動の導入時に扱う「課題」がその時間に理解を図る上で大変重要だ。たとえば4年生「わり算の筆算」では「52÷4」という立式をもとに解法を確認していくが、この数は大変重要で課題設定において練りに練られたものであるといえる。これは同じ事がここの「四角形がわかる」でも言える。番国中に出てくる各セクションの四角形カードの種類・枚数は、「比較・確認」する上でとても大事な要素であるといえる。私なら少なくとも番組の視聴を終えるまでは番組と同じカードを手元に置いておかせたい。

 本日の二会合を通じて、どの地域に限らず徐々に教育番組を利用しない層が広がりつつあると感じられる。それまでの放送教育実践者の関心の軸は情報教育という大きな枠組みへと移行しつつあるのだろうか。「放送教育単独だけでは組織できない」「同好会的な人たちで成り立っている校種がある。」「公開授業が小学校だけとなっている」「との言葉は聞き逃せない。放送のデジタル化の進展には現実感がなく、デジタル化の恩恵を受ける双方向なりサーバー化なりへ向けて先に番組内容がシフトしていくことが、教育現場でこれまで効果を感じて活用していた層の人たちにとまどいを感じさせてもいるのだろうか。制作側は2005年度を目指した対応を進めてきたが、現実にミレニアムプロジェクト達成がほど遠い状況にあることにも一因があると言えるか。

一例になるかわからないが、
「新番組『ふしぎだいすき』は、新しい時代の理科番組です。
どこが新しいのかと言うと、まず番組の構成がデジタル化を意識したセグメント(分割)型になったことです。」
と学校放送オンライン「おすすめ番組」では説明している。
 有効な実例としては、先日触れたように「学校放送羅針盤」上でセグメント化に対応した活用実践が収められており、Webでも再視聴できる。
 反面、これまで簡便にテキストからこれは使えそうと判断し「生まるごと」で視聴させてきた多くの指導者は「セグメント(分割)化された番組」は使いづらいという印象を持ったかもしれない。既に地上波デジタルへと動き出している現時点では今後のタイムテーブルを見ると決して早まった事ではないのだろうし、まだその方向に向かいつつある新番組もまだ数番組に過ぎないのだが。

 では、「教育番組を活用しない先生が一層増えている」理由はどこにあるのだろうか。それは教育番組全体のラインナップに目を向けると、そこに一因があるという人もいるだろう。平素なんとかやり繰りしながら隙間のないカリキュラムに合わせた学習を進めていく中に、映像の効果を認識はしているのだがなかなか授業に位置づけにくい感がする内容が多くなったと私自身感じる。(よりよい活用がなされるよう制作者はご苦労されているとは思うのだが)番組としては指導要領に沿った良質な作りであっても、効果的に活用しようとするには、特設した一時間に「番組を中心として」学習構成しないと生かしきれない場合が多くなっているのではないだろうか。学習法提示型・学年複合型・交流育成型・・・。
 「あなたはなぜ教育番組活用をしないのですか。」とたずねかけると様々な声が返ってくるだろう。ぜひこんな言葉でユーザーリサーチしてほしいとも思う。「カリに合わない」「直接体験を重視したいから」「15分テレビに向かうのをよしとしない」などが予想されるが、それ以外にはどんな声が返ってくるのだろうか。多く視聴者を確保していく(視聴率を上げていく)ためにと考え、先生がスイッチを入れたくなる魅力はどこにと切り口を持っての議論は不要だろうか。今日も「どんどんたたいてください。」という話があったが、熱心な放送実践者でない限り、使ってみて「こうしてほしい」と返す余裕はない。静かに利用をやめていくだけである。

 このところ、3,4年生各学級で「みんな生きている」の番組視聴が続いている。それに合わせて少しずつ掲示板への記入が増えている。前回放映の「いただきますごちそうさま」は、さすがに加工された豚がつり下げられているところはインパクトが大きく、視聴に踏み切れなかった学校が多かったのか、「けいじばん」には本校4年生の記入しかない。比較的書き込みの多いN小6年生でさえ記入がない。本日で放映を終えた「力をあわせて」は、ずらずらと本校3年の書き込みが続いた後、N小が書き込んでいた。お互いに相手の意見に呼応する書き込みの余裕がない。昨日の本校4年の書き込みについて明らかにすると、5時間目視聴後話し合い、最後に感想を小原稿罫に書き上げる。(書いたものを読み上げてよい児童がいたら読んでいる)そこで5時間目が終了してしまったが、数人の児童がPC前に残り書き込んだ。という状況であった。日常の中には中々時間をとってあげられないのは継続視聴の他校も同様なのだろう。だから11校も登録していて、実際の書き込みが2,3校という実情となっている。理科でMLも活用して互いに動いていた交流盛んな書き込み合いがなつかしい。やはり指導者同士の交流がポイントか。
 本校では3年理科「ふしぎだいすき」にも1番目に掲示板登録しているが、こちらの方がもっと余裕がない。不審者対応もあり、児童を残すことは10分でさえもとんでもない状況であるからだ。今後は、私が中休み・昼休みのどちらもPC室に常駐して解放し指導にあたっているので、視聴機会を通じ声かけしたい。各担任からの呼びかけもあれば、まず生き物への関心高い児童から呼応していくだろう。それを印刷・掲示などしていくと徐々に広がっていくことを期待したい。

 本日は、九州に続いて2回目となるブロック理事会に出席した。行くと自分のネームプレートが用意されていないのはやはり寂しいものである。結局借りたマジックを使い、自分で記名した。そんなことはともかく、ブロックでの放送教育の現況について知る機会となった。理事会の終了後には、校種別に集まり、情報交換を行った。大会に臨む中学では、個人的に放送教育の効果を感じている人で動き、組織力がないとのことだ。幼・保は研究会が消滅してしまったという話もあった。地デジに対応エリアとなっても、家庭よりいち早くTVを入れ替えて双方向の学習機会とは、予算処置がなく無理だろうという話もあった。現状の放送活用の話も出た。中学ではやはり実践できる番組が限られていること。理科3.4年では新番組となるとWeb上で年間のクリップや「ふしぎいっぱい」でWebに2年間分視聴できた番組が再視聴できないという話もあった。このあたりは私が感じていたことと重なり、実践者なら誰しも思う不満ということだ。九州理事会ではブロック大会に開催県では参加者がある程度見込まれても、他県からはなかなか厳しいという話があったが、「放送教育」のパイそのものが縮小しつつある方向ではないか。プロジェクト校・協力者・著名な研究者のもとには良質の実践が集約されているかもしれないが、多くの一般校が少ない時間をやりくりしても、その学習効果を実感して継続視聴したいと思わせる番組制作を全国をマーケティングリサーチしつつお願いしたい。

 最近、新聞の教育欄にも「カリキュラム・コーディネート」という言葉が見られるようになった。児童の学習スコアを上げるため、教科間で総合的なカリキュラムを核として再構成すべきであることは、先日の校内授業研究会を見てもわかる。
 2年生「かんさつ名人になろう」では、自ら生育している生き物について生育状況を伝える文章を書くのだが、大方の子が生活科で育てている野菜について記録したのに対し、一部の児童は学級の金魚について書き表した。その子たちにとって、野菜より育てていることについて関心高いというのが理由だそうだ。国語としては「書こうとする題材に必要な事柄を集める」上で「より関心高い」という点は「書くこと」をねらいとすると望ましい。しかし場を生活科に移すと、一様に自分が選択して育てている植物のみについて再び記録をとるのである。「教科が違う・ねらいが異なる」で終えることだろうか。4年国語「新聞記者になろう」は、「各必要のある事柄を収集したり選択したりすること。」というめあて。まさに情報活用の実践力育成プログラムである。5年国語「サクラソウとトラマルハナバチ」は環境学習といえる。今回この3単元が「コミュニケーション能力の育成」を掲げた国語科の校内研で取り上げられたことは、意味がある。(当日の事後研では触れられなかったが。)
 どれも国語科の学習時数の中で終えてしまうことで良いのだろうか。ぜひ教科間の総合的な取り組みを意図することで、より切実生を持った学習機会としてあげたいと思う。
 校内では特色委員会担当ということは、ある意味「カリキュラム・コーディネーター」とも言える。しかしながら、特色委員会を開いた冒頭に学校の経営力に関するモデルとしての「教育課程の整備・充実」「組織・体制の連携強化」「教育資源の有効活用」のそれぞれに特色研が総合的な学習、保護者・地域との連携などの効果としてどう関わりを持つかなどという話を始めると「あんた、今から学習会でもやるの!」という声が飛んできてしまう。

 来週は、月曜日中に25日(土)実施予定の「ネットディ」保護者向け通知文を印刷・配布しなければならない。中休みに印刷し、昼休みまでに各学級に配り回らなければならない。なぜなら、火曜日には6年が横浜市歴史博物館見学で不在で、水曜日から金曜日まで今度は5年生が南伊豆臨海学園への2泊3日の体験学習で学校不在となる。月曜日は5校時終了後退出し、持病通院後、18:40発のANA便で一路四国高松へ向かわなければならない。方針資料に補説を設けるべく原稿書きができていなければ向こうで書かなければならない。(学向プロで,一躍人気となっているPanasonic Letsnoteで)いや、前出説明会時の資料作成、または理科授業ワークシート作り?。やることはたくさんあり。悩みに悩んで買わなかったPIXAS80iのモバイルプリンタがあると便利だったかもしれない。(どこでもスモールオフィス化できることはやはり大きい。授業研の事前協議で記録をとって終了時に即配布もできる。ただインクタンクが小さくて4色純正3980円は甚だ高い。ので断念。)岡山のときのように夜中に城を見に行くなんぞは無理かもしれない。(何故か今まで城めぐりの機会となった。
 教育工学「高知−高知城」「富山−富山城」「沖縄−首里城」「宇都宮−ここは違って、足を伸ばして東照宮」平福小自主公開「岡山、−岡山城」ブロック理事会「福岡−福岡城趾」)そして今回は、高松城をちらっと見たい。(というのは目的外。懸命に方針を説明してきます。)
 2日置いては、青山荘で全国組織で行う。HPの概要を伝えなくてはならない。放送教育の文字通りネットワーク化がHPにより進展しつつあることを伝えるのが目的。
 週末の土曜日には「わかる算数5年生」事前研。授業者の先生が自らの学級の能力を把握して、どのように具体化した案を示されるかが今後の算数科番組活用に大きな道筋をつけそうでとても関心高く楽しみだ。(人のことだから言える)やはり、番組の「あるなし」クイズを視聴するのみでは、そこで興味関心のピークを超えてしまう。番組を活用するなら「参加型・分断視聴」。実施回の「番組Web」を見てみると、全体学習でよく理解できなかった児童に対して一回目のドット図を示しては動画・二回目を示しては動画・続いて三回目という構成は思考の助けとなるかもしれない。
  

 6月25日に土曜参観があり、当日1,3,4校時と3年生の3クラスで『ふしぎだいすき』「さがせ!野原の虫」を活用した学習を1時間ずつ行うことになった。それ以外の2,5校時には算数の少人数学習があり、5校時を終えた5分後には、「ネットディ」説明会を図書室で行うという1日である。
 3年の理科学習では、これまでも番組やクリップから興味・関心が高まり、(活動喚起型活用)実際の飼育なり観察なりを意欲的に進めていくことにより理科のねらいを達成していく活動を進め、(「ふしぎいっぱい」も含めて)今年度も、それを狙ってきた。
 学校放送羅針盤では、今回、新番組「ふしぎだいすき」でセグメント化した番組を生かして、同様なねらいが達成されていくさまを見せてもらい、自らの自信も深められた。番組では、先生がわざわざ茨城までキャベツについた卵を取りに行ってきたとの紹介があったが、本校では近隣に子ども農園を借りており、2年生のときから無農薬でキャベツ作りを始めておくことをしており、児童が自ら採取・観察するさまも挟めた。活用手法の紹介として、別の機会には
本校にも力のある3年担任がいるので同僚として紹介したい。
 余計な方向へグリッドが向いてしまったが、では、「さがせ!野原の虫」をどう活用するかの話に戻すと、やはり実際に「バッタ」を観察するさまへと結びつけたい。ここで役立つのは子どもたちの地域でのバッタ生息情報である。
また楽しみが広がってきた。

 現在、3年の全クラスで「ふしぎだいすき」を継続視聴中だが、児童に対して確認したいと思っているのは、番組&Webをによって実際の観察や飼育への関心を深めたり、意欲が増したりしたかということだ。なによりも番組視聴で学び終えてしまうのでなく「活動喚起」型としての働きかけがなされているかがこの時期の3年理科では大事。次回は、土曜授業参観にあわせて3クラスが放送活用予定だ。効率的に準備できるこの機に、簡単なアンケート形式をワークシートに記載して確認したいと思っている。

 今日は、学向プロの事前研があった。6月末に公開授業を行ってくださる方が活用するのは『わかる算数5年生』「四角形がわかる」の番組&Webである。協議内容については、まだ第二回目も予定されており、ここで触れすぎてもどうかと思う。授業者の方がどういう取組をされるかは別として、話を聞きながら私なりに、この番組を活用するならこうするだろうと思ったことだけを上げる。4年生の算数指導をしていることから『わかる算数4年生』の活用検討をしていることも絡めてのことである。
 ねらいは「辺の平行関係や対角線に着目し、四角形の特徴について考える。」だが、番組では、複数のドットの上に描かれたいくつかの四角形を設定した約束に従い「ある」「ない」で仲間分けをしていき、「平行」という構成要素に着目して活動していた。(内容は学校放送オンラインの番組Webで視聴可)番組を試聴してみて、提示された課題はやはり自分でも解き進めたいとどの児童も思うだろう。15分の枠内では、次々と考えついた児童が前に出て答えていく様が、編集によって出されていく。自らが考えつかなかった解法が番組の中の学級から示されることは思考の広がりの一助となる。ただやはり、この番組はまるごと視聴してしまうと、同様の活動をその後発展として行うことも萎えてしまいそうで、やはり、番組から学習の手法として教師が学び、学級の学力実態・反応に応じて、この取り組みをなぞり進めることがもっとも定着し効果があると思えた。羅針盤に出てくる取り組みを参考にするのと何ら変わりはない。ここで番組関連Webをどう生かすかは、ペーパー出力データでもよいだろう。

 今日は3年生の1クラスで『みんな生きている』「力を合わせて」を視聴した。都会から田舎の学校へと転校した元気の良いみのりさん。学校対抗運動会のリレー選手の一員として30人しかいない学校の代表として4人で頑張る様子がよく描かれていた。次第に息があって、バトンパスも上手となりタイムが上がっていく様は、「力をあわせて」いる様子を映像でしっかりと伝えていた。
「みんなで力をあわせればなんでもできるんだなあと思いました。」
「さいしょは気もちがかみ合わなかったけど、後からはなかよくできていた。みんなの心がひとつになったからできたと思う。」
「バトンをわたすタイミングがすごくはやい。」
「みんなでがんばれば、心が一つになって、それほどがんばりあい、力をあわせることができるのが、すごいでした。」
「わたしもみんなと力を合わせてやりたいです。」
「わたしが力をあわせたときは、前の学校でのうんどう回です。まけたけどさいごまでがんばった。力を合わすのは大切だなあと思いました。」 

 本日は、4年生の1学級で『みんな生きている』「いただきますごちそうさま」を視聴した。この番組は先週より放映中だが、なかなか視聴機会がとれず、今週は先日記した予定で触れているように、4年の3クラス(1クラスは次週)が視聴予定となっている。
 「ごちそうのひみつ」に始まった「ごちそう」物だが、みんなが何気なく食べているお肉は・・・。と食肉の加工工場のシーンに変わる様子は過去2回と同様だが、今回は加工された豚が番組でそれまで見てきた豚と同じ形のまま裂いた中が見えてつり下げられているものが映像ではっきりと出ており、事前視聴した時は、ここで不快感を示す児童がいるのではないかと思えた。
 その予想通り、そのシーンでは「こんなの見せられたらもう食べれない。」と声に出す児童もいた。視聴学級の給食時には折しも豚肉が出ていたが、その後の話題とはならずほっとした思いであった。
 「いただきます」「ごちそうさま」の意味から問いかけて本授業は始まり、児童は、ほかの生き物の命をいただいて人間は生きており、その感謝の言葉だという声が何人もの児童から上がっていた。
 気持ちとしてはわかっていてもまざまざと見せつけられるととまどってしまう。しかし視聴した効果も大きくあった番組となった。
『私はぶたが食肉工場で食肉にされるのが、ちょっとかわいそうだと思いました。でも、そうしないと私たちが生きていけなくなってしまうのを考えるとやっぱり動物の命をいただかなくてはいけないと思いました。だから、「いただきます」「ごちそうさま」という言葉は、動物、生き物にかんしゃしていただこうということだと思いました。』
『わたしは、子ブタのたん生をはじめてみました。へそのおをつけたままおかあさんのちちを、さがすあかちゃんは、とてもしんけんなかおをしていました。とてもちいさかった、あのブタも、いつかたべられてしまうと、思うと、かわいそうだけど、むそまつにしないで、オいしくたべうと、思います。』
『子ぶたがでてきた。とってもかわいかった。けど、ぶたがトラックにのせられて、食肉工場できられたあとの肉を見たらかわいそうだった。食べるときは、かんじないのになんでだろうと、思った。』
『ぶたが100kgになったら食肉になるなんて知りませんでした。すごくかわいそうに、思いました。あんな場面を見て、いままで、ふつうに食べていたぶたが食べられなくなりそうでした。』

 情報専科として、各学年の放送活用を積極的に担っているのだが、2年国語・3年理科・5年社会及び3.4年生命教育の番組活用に留まる中、今後5.6年でも「みんな生きている」の視聴機会を設け、1年「ことばあ」1,2,3年「かんじるさんすう1,2,3」、4,5,6年理科番組を設定予定だ。本来は、学級担任が番組・Web活用効果を認識しての継続活用が望ましいのだが、なかなか叶わない。情報担当がT1として行う放送活用にT2として加わり、効果ありと感じる機会を多く持って行きたい。プロジェクターをセッティングして番組スタンバイ、ノートへのWebを立ち上げ、ワークシートの作成、リンクWebチェック、掲示板記入への誘い、番組感想集の廊下掲示などは専科ならではの対応と思う。 

 本日、横浜は「開港記念日」にあたり、公立校はお休みだったが、今回しかセットしていないという「ネットディ研修会」に一日出てきた。天井パネルを落としてしまったり、端子を作ってもテスターで導通せずとか、せっかくケーブルを通しても、先の方で引きすぎて持っていかれてしまうなど、素人なりのトラブルもあったが、どうにか進めていくことができた。横浜は業者に委ねるお金がなく地域のボランティア頼みで、まだ数年はかかるとのこと。ミレニアムプロジェクト達成は遠い。

 今日は、市研究会・メディア活用部会での「校内放送」実践提案を聞いてきた。担当者が、校内へ良質な映像・音声情報を発信するという公共の務めと、見えない視聴者に向けて委員会児童が語るスキルを学ぶ場としての熱心な取り組みを感じた。
 市会長と少し、神奈川県大会での私の提案について打ち合わせをした。せっかく県下の放送教育実践者が集う場であるので、制作者も交えて、より立体的な構成としたいこと。取り上げる番組については、少々継続視聴性が薄くても今年度新番組をを対象としていきたいこと、など簡単に触れた。
 当日は画面取りで、デジタル教材を「学校放送オンライン」のトップ画面から下りていって、簡単に構成を紹介していくということで始めたい。前々回一昨年度、県夏期特研で紹介したときもそうした。ただNHKでは昨年度途中からデジタル教材の簡単な紹介映像を作ってられるので、それを流させていただくことも候補に入れておきたい。「デジタル教材リーフレット」をつけて。
 報告は、デジタル教材の各タグに合わせて「テレビ」は必要に応じて個別再視聴に、「クリップ」は個々の児童が感心を寄せることを調べている場面や一斉の場で提示資料として活用している場面など、「きょうざい」からは、学習ゲームやワークシートなどで学習を広げ深める工夫を、「けいじばん」からは児童が打ち込むときの緊張感と見えない相手に対して言葉を選んだことなどのインタビュー場面を盛り込んで伝えたい。

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